[2008-12-14]
手を合わせるということ―親の恩―
ある時、移動中T先輩とガキの頃の話題になり、
親父の話に及んだ。
私がまだ小学生の頃、父は商売に失敗し呉服店を閉めた。
ある日学校から帰ると、たくさんの大人達が話し合いをしていた。
友達を連れてきていたので、母は外で遊ぶように言った。
『債権者会議』だったということは後で知った。
程なくして父は呉服を背負って行商に出るようになった。
私の故郷は炭坑町で、小さな島にもかかわらず、当時栄えていた。
親が炭坑に勤めていた家の子はわりと裕福だった。
『とうちゃんも、炭坑で働けばよかとに』
「一生懸命に働いているのに、親父に随分ひどいことを言ったもんです。」
T先輩にそう言ったそばから、ふいにこみあげるものがあった。
早くに亡くなった父に、親孝行することはできなかった。
"親孝行したいときに親はなし"
言い古された言葉ではあるが、あまりにも真をついている。
この世に生んでもらったことだけでも無条件に感謝すべきことなのに、
まして、どれほどの愛情をそそいで育ててもらったことか。
「本当の親孝行とは、手を合わせる縁にあわせてあげることたい
なにも、温泉につれていくことじゃないとぞ」
「その恩は、世間にかえせばいいとたい」
師の教えが身にしみる。
この両親のもとに生まれてきたからこそ師と出会い、
私自身が手を合わせる縁に出会えることができたのだ。
先日、師に母の七回忌の供養をして頂いた。
カテゴリ 師の教え
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